ドイツの町のある酒場で、客達は作家の卵 Fritzの語る怪談話に耳を傾けていた。その話の最中、居酒屋に現れたのはまさにこの話の登場人物だった。驚いたFritzは読み上げていた未完の怪談話の原稿を燃やし逃げ出してしまうが、物語は作者不在のまま勝手に進行を始める。
His Dark Materials(ライラの冒険シリーズ)等で知られるPhilip Pullmanの作品。
表紙に書かれている “Exciting, scary, romantic and deliciously readable” の推薦文が、よく作品の感じを表せているなあと思います。
怖がりの私も、文章の魔力(?)で引きずられるように読了。
不思議と・・・・・文章の響きが好みなんです。
ちょっと変わっているのは、教訓や登場人物の行動批評などを著者がコラムにして本編のあちこちに挿入していること。
アメリカ版には何故か、このコラムがほとんどついていないそうです。
Philip Pullmanがイギリスの作家だからでしょうか・・・。
読まれるならコラム付のイギリス版がお薦めですよ。
時間をおいては読み返し、ずっと大切にしたい大好きな作品です。