よみがえろうとする死霊に永遠の死をもたらす務めのネクロマンサー、アブホーセン。その父から力を受け継いだ娘のサブリエルは、失踪した父を探すためひとり国境の壁を越え古王国へと向かった。
古王国記シリーズの第1巻。2002年に邦訳版「サブリエル 冥界の扉」が発売された当時書店でたまたま手に取り、黒が基調の装丁がとても素敵だったので思わず購入し読んで好きになった本です。今回は原書で読みました。
(邦訳の方は2025年現在絶版なのが残念。名作だと思うんだけどなぁ・・・)
冥界の情景や道具などのディテール描写が当時とても印象的だったのですが、今読んでも映像が鮮やかに頭のなかに広がって、とても懐かしかったです。
アブホーセンの重責を急に担うことになり恐れながらも運命に立ち向かうサブリエル、少々辛辣なところのある白猫の姿をしたモゲット・・・キャラクターも生き生きと動き回ります。
ネクロマンサーが主人公ということもありジャンル的にはダークファンタジー寄りなのかもしれませんが、暗すぎない細やかな描写がやはり良いなと思いました。
邦訳ではこの後も「ライラエル」「アブホーセン」と続き、洋書ではさらにそのあとも続刊が続きますが、古王国記のシリーズ中、一番この巻が気に入っています。

