私立探偵のスペンサーは、離婚した夫から息子のポールを取り返してほしいとの依頼を受ける。しかし両親は愛情ではなく所有欲から息子を取り合っているだけで、少年は放置状態で育つうち何に対しても気力を失ってしまっていた。見かねたスペンサーはポールを引き取り、両親から自立できるよう力を貸すのだった。
15歳にしてあきらめ切ってしまい心を閉ざす少年が 未来への一歩を踏み出すまでの話。
会話・描写ともに含むところがなく直球勝負のシンプルな文のため、一般小説でありながらGR的でかなり読みやすかったです。
日本語訳だと会話がシンプルすぎてハードボイルド小説はあまり好きではなかったのだけれど、英語だとそれがどこかユーモラスでサバサバした感じになり新鮮でした。
文のシンプルさがいい方向に転がっているのではないかな。
私立探偵スペンサーと 身勝手な両親から引き取った15歳の少年。中盤まではこの二人の交流が主です。
それはそれで楽しかったのですが、後半になってミステリーっぽくなりまた違う面白さが出てきました。
後半では犯罪が絡まってきて、男っぽくスペンサーの腕っ節の強さも披露され楽しめましたよ。