盗みの容疑をかけられ、少年たちの矯正キャンプに放りこまれたStanlay。収監された少年たちと過酷な環境下で穴堀りの作業をさせられる毎日。この作業は一体何のため?
何故彼はこんな事にまきこまれちゃったのか?出だしに引きつけられました。
サクサク進む穴掘りを想像していたのに、これは大変そう。
酷暑の上、穴は深さだけじゃなくて幅も5フィート(約152cm)要求されるし・・・。
初めての穴は特に大変で、様子を息をつめて見守ってしまいました。
文章は意外と淡々系なんですよね。
でもなんと表現したらいいんでしょうか、謎を含んだ建材でこつこつ家を建てているというような感じ。
結構好きかもしれない。
Louis Sacharの書く本は(Marvin Redpostシリーズ等)、時々心理描写にキラっと光ることろがあってそういうところが好きなのですが、
個人的にぐっときたのはStanlayが “もしキャンプの仲間と親しくなれたら、ここを出ても学校に仲間と一緒に通ったりして・・・”と想像をするところ。
あのいじめっ子からもかばってもらえる、そんな情景を穴を掘りながら何度も想像しているStanlayが段々かわいそうになってきました。
「もしも」って心の中で考えるのは誰しもあると思うのですが、親しくもないキャンプの仲間にいじめっ子を撃退してもらう事を繰り返し夢見るっていうのに、彼の喪失感みたいなものを感じてしまいます。
章立てが細かく50章と多いので、少しずつ読んでいく場合でも達成感があってよかった。
予想していたより派手ではなかったというか、外向きより内向きという感じでしたが楽しかったです。