【英語多読】YL5~6のおすすめ The Westing Game

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読みやすさレベル 6~6.5 総語数 49,414

資産家のウェスティング氏が亡くなり、16名の相続人が集められた。そこで彼らはウェスティング氏の遺言を知ることになる。彼を殺した犯人を見つけ出した者に総額2億ドルもの財産から賞金を与えるというのだ。しかも犯人は相続人の中にいるという。
16人の相続人たちは2人1組のチームを組み1チームづつ異なるヒントを与えられ、この奇妙なゲームを始める事となった。時が経つにつれ判明していく彼らの過去、次々と起こる爆破騒ぎ…真実は一体どこに!?

1979年のニューベリー賞受賞作品。

ニューベリー賞というとイメージ的にヒューマンな感じの物語を連想するのですが、この作品ミステリーなんです。

ニューベリー賞なのにミステリー!?という事で興味が出てきて手に取りました。

相続人だけで16人もいてコロコロ場面転換する為、個性あふれる人達にもかかわらず最初は人物と状況を把握するのが大変。

自分で登場人物メモを作りこれを参考にしていたのだけれど、謎が謎を呼ぶ内容が面白くて先を知りたい一心で読み進めました。

一風変わった人を食ったような文章も楽しくて、読み進める助けになったなぁ。

でも徐々に相続人たちの事がわかってくると、謎やユーモアとは別の感触も伝わってくるようになります。

弟の病気の治療に大金がかかるため、大学進学を諦めるしかない高校生。

子供の頃から母親に逆らえず言われるがまま大学を中退&婚約したものの、結婚式が近づいてくる程に疑問を感じ「でももう何もかもが遅すぎる」とうつむく女性。

気持ちのすれ違う夫婦もいて、ユーモアと切なさが本の中で並行して描かれています。

16人の相続人達は、最初まさに寄せ集めの烏合の衆にすぎません。

それが次第に人間関係を結んでいく様子は見ていて嬉しくもありました。

犯人探しの部分もどんでん返しがあってとても面白かったけれど、作者が本当に書きたかったのは人間関係の方なのかな、と (ミステリーなのにニューベリー賞をとった意味が解るような気がしました)。

“お金をめぐるドロドロした戦い” にならなかった所もこの作品には合っていると思う。

ラストシーンはじんわりきましたよ。

事件の真相をもう一度振り返りたくなるような、後でもう一度読み返したいと思える本でした。

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